「抗菌」なら、ウィルスにもカビにも効果があるの!? 細菌とウィルスの違いをおさえよう
地球上には、人類を悩ます様々な細菌、カビ、そしてウィルスが存在します。
抗菌製品は、文字通り、抗「菌」、つまりウィルスに対しての効果までは期待できないのです。
なぜでしょうか。
それは、菌とウィルスは、大きさから構造まで、かなり違った特徴を持っているからなのです。
細菌とウィルスの違い
細菌もウィルスも、人の目には見えないほど小さいものですよね。
しかし、その大きさは、人や動植物を構成する細胞よりも小さいのです。
細菌は、生物がもつ細胞よりも、だいたい10~100分の1くらいの小ささ。
そしてウィルスは、その細菌よりもさらに10~100分の1くらいの小ささなのです。
細菌とウィルスの違いは、その大きさだけではありません。
細菌は単細胞生物で、細胞壁につつまれ、内部の構造もちょっと複雑です。
一方ウィルスは、中心にある核酸と、それを取り囲んでいるタンパク質(カプシド)のみで構成された粒子。
単純な構造のため、ウィルスは自分だけでは増殖できず、人間など生物の細胞に侵入しないと増殖できません。
細菌は、栄養素があれば自力で分裂するなどして増殖できる点でも異なりますね。
細菌とカビの違い
カビは、細菌よりおよそ10倍ほどの大きさの菌で、「真菌」に分類されます。
同じく単細胞生物ですが、細胞膜に包まれた内部は、細菌よりもう少し複雑な構造をしています。
菌糸を成長させ、枝分かれさせるなどして増殖するという特徴があります。
実は、JIS(日本工業規格)では、黄色ブドウ菌と大腸菌に効果が見られたものを抗菌加工製品としています。
そのため、ウィルスやカビへの効果を期待するなら、「抗菌」ではなく、「抗カビ」や「抗ウィルス」と銘打っている製品を使うとよいでしょう。
まとめ
抗菌製品は、ウィルスやカビではなく、細菌への抗菌効果があるものを言います。
細菌・ウィルス・カビは、それぞれ大きさや構造が異なるので、「抗カビ」「抗ウィルス」など、状況に合わせた製品を選ぶとよいでしょう。